ビックデータで将来の犯罪を予測するシステム プレッドポル(PredPol)

機械学習(Machine Learning)は人工知能の一分野で、大量のデータから法則性を学習し未知のデータを予測するものである。今回は応用例の一つとして、過去の犯罪や地理データから犯罪を予測するシステムを紹介する。

ビックデータで将来の犯罪を予測するシステム プレッドポル(PredPol)

プレッドポル(PredPol)とは?

プレッドポル(PredPol)はカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究グループが開発した犯罪予測システムである。過去の膨大な犯罪情報のデータベースをもとに、将来「いつ、どこで」犯罪が起きるのか機械学習をベースに予測する。

Predict Crime | Predictive Policing Software | PredPol

オバマ政権の発足以来アメリカでは、「透明でオープンな政府」がスローガンに掲げられている。このスローガンを達成するために、政府は「data.gov」というサイトを構築し公開している。このように公的機関が保有するデータを公開して民間で活用するオープンデータが世界中で広がりをみせている。このオープンデータの公開が近年の機械学習ブームに火をつけた。

プレッドポルはオープンデータを利用した研究成果の一つである。大学の研究者や警察官からなるチームの6年にわたる研究の結果、犯罪は地震と同じようにある種の断層にそって発生することが突き止められた。具体的には、過去の犯罪情報に加え、その地域の街灯の数やバーの営業時間などの情報を基に犯罪の発生パターンを解析している。機械は人間では処理しきれいない大量の情報から法則性を見出すことができるのだ。ロサンゼルス市警のプロの犯罪分析感と人工知能の予測を比較したところ、犯罪捜査官に比べ2倍以上人工知能のほうが正確である結果が得られている。

カリフォルニア州のサンタクルーズ市警が2011年に導入し犯罪率が2割減少するなど大きな成果が上がっている。アカデミックの世界ではデータのみの実験が多いが、プレッドポルはリアルな現場で実際に導入され機械学習の精度が立証されている。

Predpolによると、犯罪発生減少率は一般的に20%程度である。ロサンゼルスでは、19週間のうちに犯罪発生率が47%減少した。
都市の犯罪発生を予測し、未然に防ぐより

現在、アメリカ、イギリス、ウルグアイの3カ国で利用されており、プレッドポルはデータ解析のスタートアップ企業として名を挙げている。

プレッドポルは犯罪の危険性がある要注意エリアを一辺が500フィートの赤いボックスで地図上に表示する。警察官はこの危険なエリアをスマートフォンアプリで簡単に認知することが可能になり、巡回の頻度を上げることで犯罪抑止に繋げている。

犯罪予測の未来図とまとめ

犯罪予測システムといえばトム・クルーズ主演のSF映画「マイノリティ・リポート」が頭に浮かぶ。「マイノリティ・リポート」ではプリコグと呼ばれる特殊な予知能力者によって犯罪予測システムが動いているが、AIによって犯罪予測が近い未来に実現されそうだ。

マイノリティ・リポート (字幕版)

世の中のあらゆるモノがネットに繋がるIoTの世界が実現されようとしている中、ますます犯罪予測に利用できるデータは増えるであろう。監視カメラの映像を始めとするありとあらゆるセンサーデータから犯罪を未然に防ぐシステムが開発されていても不思議ではない。犯罪は心理的な面からの影響が強いため、スマホから持ち主の異常を検知して抑止するみたいなこともありえる。

アメリカと同様に日本でも犯罪データは警視庁によって公開されている。データサイエンティストになってみたいあなた、犯罪予測システムをつくってみてはいかかでしょうか?